小さな詩人
大阪の実家の家族旅行に参加して、先週末は越前三国の海に行った。
兄夫婦と甥と姪の子供達、母と私の6人で、
それは楽しい旅だった。
可愛い11才の姪っ子と5才の甥っ子と会うのも、
実家に帰る楽しみである。
姪っ子はスポーツが得意なおてんばな体育会系だが、
甥っ子の方は、5才の割に言う事が文学的で驚かせられる。
夕食のとき、生卵を深皿に割って、箸でかきまぜながら、
「タマゴが夕焼けになったよ~。」
なんて言う。
たしかに白身と黄身がまだらになった卵は夕焼け空みたいだ。
海水浴をした海岸で、
つるつるになった小石を拾って大切そうにしているので、
綺麗な石やね、と声をかけると、
「これ、海がくれたよ、叔母ちゃん。」
なんて詩的なことを言うから、いちいち感動してしまう。
私の母が言うには
冬に旅行したときも、海岸でみたカモメを指さして、
「カモメがひやひや飛んでるねえ。」
と言って、「ひらひら」でなく「ひやひや」と言ったのが、
鉛色の空を、寒そうに飛んでるカモメにぴったりな表現で、
俳句をしてる母も感心したそうだ。
私から見ていると、イマジネーション豊かで感性のするどい、
素晴らしい子供だが、
いつも現実と空想がごちゃ混ぜになった話をして、
保育園では変わり者扱いらしい。
兄も兄嫁もそれを心配しているのだが、
私の子供の頃も、まさにそんな子供だったので、
近頃はこれくらいの個性もはじかれてしまうのかと少しビックリ。
「アンタは本当に詩人みたいですごいね!!」
というと、詩人の意味を知ってんだかは謎だが、
褒められて嬉しいらしく、満面の笑顔である。
本当に可愛い。