いい人をやめると楽になる
先日本屋のベストセラーコーナーで、
曽野綾子の「いい人をやめると楽になる」というタイトルの本を、
何気に手に取って立ち読んでみたら面白そうで、
買って読んでみたら本当に面白かった。
曽野綾子という、人に全然媚びない生き方をしてる作家の、
小説や随筆の抜粋文を集めたものだが、
すごく共感できる内容だった。
私はいつもニコニコしていてあまり怒らないので、
いい人に見られる事が多い。
確かに人より怒りの沸点が低いので、
ヨソ様より怒る頻度が少ないのは事実だが、
怒ったり妬んだり、人と比べて優越感に浸ったり、
当たり前に私の中にも黒々とした感情はあるのだが。
鋭い言葉の一矢で心の急所を攻撃して、
相手を深く傷つけるのも案外得意なのである。
いい人に見られて困るのは、
毒舌をはいたり人の悪口を言ったりすると、
ドン引きされる時があることだ。
人は性格の悪い人がチラリと見せる優しさには感動したりするが、
いい人と思ってる人の性格の悪い面を見ると失望するもんだから、
私としてはやりにくい。
イギリス人の旦那と結婚するまでは、
日本人の多勢と同じく、「いい人」でいなければいけない...と思ってたが、
結婚して目からウロコだったのが、
イギリス人達は、怒り、妬み、嫉妬や人の悪口や愚痴などを、
周囲にまき散らして平気でいたりする。
悪口や怒りをぶつけられた方も、過剰に傷ついたりはしない。
そのようなマイナス感情は、ナチュラルな人間性のひとつとして、
全然否定しないのだ。
これは本当に素晴らしい考え方と思う。正直でないか。
相手を思いやって優しい態度で接しようとする
我々日本人の品性も素晴らしくて好きだが、
なにも無理することはない。
だから私は毒を吐く人間は案外好きなのである。